佐藤ありさ/医療法人社団桜蘭会 副理事長 兼 CFO
海外からの帰国後、日本の医療事情への疑問を感じ2017年M&T在宅クリニックの立ち上げに参画。法人全体の舵取りを行う。
高齢化の進行に伴い、在宅医療需要の増大に対応できるよう、2017年10月M&T在宅クリニック、訪問看護ステーションはスタートしました。
弊社は「患者様の生活を支える医療、心に寄り添う医療」をモットーに、“治す医療”ではなく、住み慣れた地域で自分らしい生活を続けることができる“サポートしていく医療”を提供することで、在宅医療の推進に取り組んでいます。
一方で、在宅医療に向き合っていると、だんだんと現在の医療が抱えているグレーな部分が見えてきます。在宅医療では、一人の医師が地域医療を支えるために身を削っているというような実態があり、桜蘭会ではそれを変えていきたいと思っています。
24時間・365日対応の訪問診療や訪問看護を長く続けていくためには、医師も看護師も休みたいときに、休めるワークバランスを確立し、1人ではなく、地域とチームで診ていく、新しい体制の構築が必要不可欠と考えます。
患者様、利用者様にしっかりと向き合い、最後まで自分らしい人生を送ってもらうサポートをするためにも、スタッフの心身の充実はとても大切です。アットホームな職場環境で、スタッフ同士の仲の良さや信頼関係は誇れる部分ですし、研修等のスキルアップの機会は会社が全面的にバックアップしています。
ただ、在宅医療は決して”楽”な仕事ではありません。患者様・利用者様お一人おひとり生活感が違っているので、画一的なサービスではなく臨機応変に対応する必要がありますし、常に死と隣り合わせなのでメンタルの強さも求められます。
また在宅医療だともちろん患者様は24時間体制の医療を必要とされているひとが多いので、どうしてもスタッフ自身や家族の生活を脇に置いてしてしまうことがあります。患者様に最後まで自分らしい人生を送ってもらうために、スタッフの自己犠牲が起きてしまう矛盾。この現状を少しずつでも乗り越え、患者さま、ご家族、地域の方々、そして働くスタッフにとっても、必要とされる存在でありたいと願っています。
何事もやめることは簡単で、継続することが一番難しいものです。私たちはまだ立ち上がって日も浅いチームですが、ここ仙台の地で在宅医療を続けることで、すぐには変えることができないものを少しずつ良いと思える方向に変えていくために、私たちは努力を続けます。
良質な医療・看護・介護を提供することで、患者さまやご家族の人生の可能性に寄り添い、支えることが私たち桜蘭会のミッションです。私たちと共に歩んでいただける方を募集しています。